「紙のキーボード」と題したシステムを開発したのは、作家の野口喜洋(ペンネームは山之口洋)氏(公式サイト)。ペン先の位置や筆跡を認識できる特殊な「デジタルペン」と、専用の用紙を利用する。用紙には、ひらがなや英数字などが格子状に配置された領域(キーボード領域)と、自由に文字を書ける領域(手書き領域)が書かれている。ひらがなや英数字はキーボード領域をタップすることで、漢字や図は手書き領域に手書きすることで入力できる。入力が終わったら、用紙の中の「PCに転送」という部分をタップすれば、Bluetoothを通じて入力した情報がパソコンに送られる。
これだけなら既存のデジタルペンでも実現可能だが、「従来の文字認識技術の精度はそれほど高くなかったため、実用を考えると厳しい面もあった」(野口氏)。そこで今回は、前後にある文字の意味を解釈して推測するなど、文字認識の精度を高めた。また個人の癖を学習したり、ペンのジェスチャー操作を利用するなど、ストレスなく日本語入力ができるように工夫した。その成果が実って製品化に結びつき、既に海連から、紙のキーボードが付属するデジタルペン「Technote」が発売されている。
「パソコンでぬいぐるみ作り」「紙のキーボード」――IPAが12人の「スーパークリエータ」を認定:ITpro
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