2007年11月4日(日)

最近読んでる本

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進、読み中

純粋物理、それも素粒子しかも理論と、ある種超俗の極みにいた男の、ゼニの世界という凡俗の極みへの没落の自伝

閉鎖系で何年も all or nothing で頑張ってるうちにドクター取る頃には多少頭が変になってたり、ドクターは取ったけど1、2年の間に結果を出さねば無職というポスドクを博打みたいにいつまでも続けなきゃならなかったりと、最近の日本みたいなことをアメリカでも随分前にやってたんだな

当時の著者の意識では超俗の世界のみが是であって、世界のそれ以外の部分は下部構造だという認識だったようで、どうしても自分の「転進」を没落と感じずにいられなかったようだが、その「没落」がちゃんと前進になってるとことがツァラトストラっぽいな

そう云えば東洋でも、「山に住むのが仙人で、谷に住むのが俗人」と超俗と世俗を高低で表現してたりするな


とりあえず、著者が大学を諦めてベル研に行ったところまで読んだ


…HP 35s のマニュアルも、複素数とベクトルのあたりまでは読んだ。こちらもまだ半分ほど

後半は、結局どんな仕事してたか判らんが、こんなツマラン職場は嫌だ嫌だと思い乍ら勤めていたけど結局転職しました、という話が続き、最近話題のサブプライムともちょっと関連する、怪しいオプションの作り方の話へ。

この辺がよく判んないんだよな(知識もないからだけど)。
何の為にあるのか判らない、怪しいオプションを作ると、結構それが売れてしまうんだが、売り元のファンドとしては損をしないように仕込みをしておかなければならず、その仕込み維持の算定式が理論的に確立できると何故かノーベル賞が貰える。そんなことやってるから原油が高騰したり思わぬファンドまでサブプライムローンで汚染されてたりするんだろうけど。

もうちょっとディテールを書いて欲しかったな。あと経済物理のセオリー。
まー自伝だからしょうがないのかも

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